doublubonのブログ

色々なことについて書きます

D'Angeloパシフィコ横浜公演の

S席チケットを購入してしまった…。

現実(テスト)からの逃避を極めた結果、気づいたらチケットキャンプで落札してしまっていた。実質4列目。目と鼻の先にブラックメサイアがいるという神懸かりな席である。各種チケット販売会社の先行予約でも、必ずしもよい席に当たるとは限らないみたいなので、むしろちょっと割高だけども確実に自分にとって望ましい位置を確保できるオークションの方がいいんじゃね?となった。


D'Angelo…このアーティストについての思い入れは結構、いやかなり深い。忘れもしない高校2年の冬、当時の俺はかなりこじらせていたため、クラス内で流行っていた軟弱なJPOPを受け入れることができず、いつもHIPHOPR&Bばかり聞いていた。当時の俺の中での流行は90年代NY黄金世代である。NASから始まりWu-tang Clanの1stに衝撃を受け、そこからMOBB DEEPD.I.T.C.の面々、Gangstarrなどを好んで聞いていた。今からすると考えられないくらいストイックな顔ぶれである。今でももちろんこの連中は大好きだが、3、4曲ほど聞いたらもうお腹いっぱいでNellyの激甘歌モノチューンに走ってしまうこと間違いなしだ。高校生の頃の俺といったらもう本当にDig精神が旺盛で、「学校で誰も聞いてないような音楽聞いたろ!」みたいな信念があった(ちなみに今俺はこれを書きながらJustin Timberlakeを聞いている)。何度も言うが、拗らせていたのである。恩師の言葉を借りれば「高校生はみんなだいたい頭おかしい」のである。


そういう時期に出会ったのがこのD'Angeloだ。よく見ていたbmrのウェブサイト(当時は確かnotraxというサイト名だったと思う)のアーティストデータベースで見つけたこの男は、「今最も新譜が期待されているミュージシャンの一人である」などととんでもない絶賛をされていたので興味が湧き、高校近くの今は潰れたCDショップで1st "Brown Sugar"を購入した。家に帰って封を開け、試しに一曲目のタイトルナンバーをかけてみる。



な、なんじゃこりゃあっ!!



「かっこよさとはなにか」という厨二臭い命題について四六時中考えていた俺にとって、まさにこの曲が回答そのものだった。ファットなベース、それに絡みつくようなDのボーカル、HIPHOPばりに煙たくてドープな音像、どこを切っても「とってもクールだ…」という感想しか浮かばない。ちなみにこの曲に関しては今でも俺の中での好きな曲ランキングで頂点に君臨している。本当に、この曲をきっかけにネオソウルにずぶずぶとはまっていったのである。俺の音楽の嗜好に与えた影響はマジクソヤベエくらいでかい。


んで、当然買うのがセカンドアルバムである。ネットの評価を見る限りBrown Sugarを遥かに上回る大傑作!傑作すぎてヤバい!みたいな、猫も杓子も絶賛の嵐だったので、ほんとかよ、前作の路線引き継いでたらいいな、と思いながら一曲目Playa Playaを再生する。



!!??




意味がわからないのである。ナニコレ!って感じ。なにこの宗教儀式!みたいな。すごいんだけどすごすぎて理解できない。何がすごいのか形容することができなかった。一聴したインパクトは明らかにVOODOOのほうが大きいんだけど、いかんせんその意味のわからないすごさと緊張感、難解さから、しばらく敬遠してたのだが、なんかわからないけど未だに聞いてる。なんかとりあえず、みたいな感じでLeft & Rightを聞く、みたいな。難解な作風なんだけど、聞いて解釈しようと思っても俺レベルの理解力だと正直歯牙にも掛けないくらい強靭なので、もう最近は諦めて単純にこのわけのわからない中毒性のあるリズムに身をまかせられればいいや、となっている。すいません、本当大好きなのにこんな適当な感じで。けどこういう聞き方してもいいっしょ。


そういう感じで今に至るまで飽きることなくDを聞き続けている。多分この先一生聞いてられるんじゃないかなあ。Brown Sugarはともかく、VOODOOはどれだけ時間経っても古臭くならない、なりようのないタイムレスな魅力に満ち溢れていると思う。


まあ正直新譜は出ないだろうと思ってたよ。この人の関連ニュース追っかけてたけど大抵噂の域を出ないし、久々に写真を見たらなんかもう見るも無残な肥え太った姿になってしまっていたから。こんな状態でレコーディングしたって良い曲は作れないだろうな、と諦め半分で、けどたまに出るコンピ盤(クソみたいな出来栄えだった)やライブ盤を聞いて。ちょっとだけ期待もあったのかもしれない。


忘れもしない2014年暮れですよ。bmrツイッターでいきなり「Dが新作の発売をアナウンス!」みたいなニュースがいきなり飛び込んできたから「は?どうせ出す出す詐欺だろ?」みたいな感じで気にも留めてなかった。そのニュースから3日くらい経って、マジで新譜ドロップされてて、iTunesで検索かけたらマジであんの、Black Messiah。「いやいや、嘘でしょこんなこんな。またどうせJames River Preludeみたいなどうしようもないコンピでしょ」とか思いながらトラックリスト見たら、知ってる曲はいくつかあったけど紛れもない新作。心臓止まるかと思ったね。で、これ読んでるみなさんはもちろん知ってるだろうことをあえて言うけど、新譜、最高でした。これに関しては多くの人が口やかましく言ってるし、俺がとやかくものすことではないけれども、これ以上ない形での完全復活って感じっす。肥え太ったとか言っちゃってスンマセンでした。やっぱりアンタはスゴい。


そんなD様が来日すると聞いた時は本当にビックリしたね。新譜と来日、今まで叶わないだろうなと思っていた夢が一気に実現したもんだから、いやあ明日あたり世界終わるんじゃないの?くらいの感覚だった。結局用事が入ってしまってサマソニ、ゼップともに行けなかったから、再来日してくれるってのは俺にとってはすっごい嬉しい。オーディエンスの盛り上がり方が尋常じゃなかったらしいから、それで気を良くしてくれたのかな?なんにせよ、Dの実質初来日を盛り上げてくれた先達の方々、本当にありがとうございます。おかげで俺にもDを拝むチャンスが巡ってきました。

語っているとキリがないので、ここらへんで打ち止めにしますが、これから先も多分この人周辺の俺のお気に入りのアーティストの話をするかもしれない。共演的な意味で言ったら?uestloveとか、ネオソウル的な意味で言ったらMaxwellとか、ほんと大好きなので。そん時はまたよろしくお願いします。